漢方薬を多く使う訳

「先生、漢方薬はこの子飲めませんので」とお母さんから診察室に入って来られるやいなや、言われることが増えました。私が漢方薬を結構使うのが、定着してきたのか?口コミなのか分かりませんが・・・私は漢方専門医ではありません。ずっと慣れ親しんで来たのはもちろん西洋医薬ですし、今も西洋医薬を中心に加療させていただいているつもりですが、それだけでは対処できない患者さんも多数経験してきました。その問題点を解決してくれる方途の一つが漢方薬です。紙面の関係上、詳しくは述べませんが、西洋医薬では一つの疾患や症状に一つの薬ですが、漢方薬は生薬が複数合わさったもので、一つの漢方薬で複数の症状・疾患がよくなったり解決したりするのです。例えば、子供さんによく用いる小建中湯という薬ですが、効能をみると腹痛症などに用いるようになっていますが、患者さんによっては、オネショに効いたり、喘息がよくなったり、アトピー性皮膚炎がよくなったり、低身長の人で身長が伸びたりと、時にいろいろな効果が期待できます。特に私はかぜの患者さんに積極的に漢方薬を用いていますが、その訳は西洋医薬と違って、免疫機能を落とさず、治癒させることが出来るためです。特に子供さんにはエキス剤をカプセルや錠剤に変更したり、ハチミツ、ココア・アイスクリームを混ぜたり、飲み方に創意工夫を凝らしていきますので、できるだけ漢方薬を嫌がらず、今後もお付き合いください。